目とゴルフ
ゴルフは野外のスポーツですから、目のいろいろな症状がゴルフのプレーに支障をきたします。
その症状は、環境の状況や年齢的な変化が原因となります。
これ等に就いて簡単に説明いたします。
目のかゆみ(花粉症)
目のかゆみは、花粉症(アレルギー性結膜炎)が主です。毎年、樹木や草花の花粉が飛散する季節に繰り返し発症します。
発症は、年齢に関係なく突然おこります。当クラブは、スギ、ヒノキ、マツ、イチョウ等の樹木が多く、プレー中に花粉症で苦しむ方が多いでしょう。
目を保護する涙には脂様性物質を含み、眼瞼、結膜は涙で常に濡れており花粉が着きやすい状態です。
附着した花粉が「抗体」となり、アレルギー症状が発生します。
症状は、「眼瞼」のかゆみ、腫れ、又、「結膜」の充血、かゆみ、流涙がおこります。治療は、抗アレルギー剤の点眼、及び効果が弱ければ、ステロイド剤点眼を併用します。細菌性結膜炎との鑑別が必要ですから眼科を受診してください。
対策としては、プレー前に点眼し、プレー中は保護めがねを装用すること。
又、クラブハウスへ入る前にエアーガンで帽子、衣服の花粉を飛ばし、更に、まばたきしながら洗顔をした後に点眼をしてください。
霞み、視力低下
ゴルフは打ったボールが見えない、或いは、グリーンの傾斜や芝目が見えない(私は初めから解りません)と楽しくありません。
徐々に霞みが強くなる原因は、眼鏡が合わなくなった場合、或いは、白内障が発症し進行した場合が多いでしょう。従って、眼科を受診し、視力検査及び病気の有無の診察を受けましょう。
眼鏡の場合は、視力検査を受けて眼鏡処方箋を受け取り、眼鏡店で作ってください。
白内障は、眼球構造図の水晶体の部分が混濁する病気です。
年齢とともに水晶体が混濁する老人性と、年齢に関係なく、糖尿病、アトピー性皮膚炎、その他の病気で発症します。
最初の症状は、自転車のライトが眩しく、光が四方に散ります。更に進行すると遠くが霞み、飛んだボールが見にくくなります。
様子を見るか、白内障の手術をするか、眼科医とご相談ください。
白内障手術は、日帰り手術が主流です。手術は100%安全ではありません。
術後の視力が安定すれば、約3週間後にはプレー可能です。
予防法は、出来るだけ紫外線を防ぐこと(サングラス、帽子、日除け傘)、VitCの多く含む食べ物を毎日食べること。Vit.Cの錠剤は、水溶性ですから効果は少ないと云われています。その他、抗酸化作用のあるサプリメント、ブルーベリー等の効果は期待出来ません。
飛蚊症
青空や、明るいところで白壁を見た時、目の前に糸くづ、黒点、或いは虫が飛んで見えることがあります。これを「飛蚊症」と呼びます。眼球構造図の「硝子体」の部分は、ゼリー状の透明な物質がありますが、強度近視や老化により水溶性に変化します。
従って、目を動かすと硝子体に浮いている浮遊物が、いろいろな方向に動きます。以前から見える「飛蚊症(浮遊物)」は心配いりません。
しかし、以前とは違った浮遊物が、急に出た時は、危険なサインです。
細かい砂をまいたような、或いは、墨を流したような「浮遊物」が出た時は、網膜裂孔、網膜剥離、その他の原因による硝子体出血が疑われます。出来るだけ早く2、3日中に眼科を受診してください。
網膜裂孔は、レーザー光凝固手術で、裂孔周囲を凝固します。網膜剥離の発症を予防します。通院治療で治ります。受診が遅れますと網膜剥離になり、視力低下や視野(見える範囲)が欠けてきます。約7~10日の入院手術が必要です。約1ヶ月くらいプレーが出来ません。
硝子体出血の場合は、眼底の血管から硝子体中に大量の出血が起こります。糖尿病、高血圧、その他などで発症します。眼科受診が必要です。
「歪み」「視野欠損」
時々、片目で「障子の桟」や「ます目」を見ましょう。細かい線が歪んで見えたり、見た所の中心部付近が暗く見えたり、或いは見えない部分に気づいた時は、眼科受診が必要です。「加齢性黄斑変性」、「緑内障」が疑われます。
「加齢性黄斑変性」は進行の比較的早いタイプと遅いタイプがあります。放置すると、中心部が見えなくなり、失明の危険があります。
眼科医と相談し、専門の大学病院での治療が必要です。予防は、紫外線カットのため、サングラス、帽子が必要です。
「緑内障」は、全人口の40才以上の約5%の有病率です。10年~20年とゆっくり進行します。特徴は、特有な視野欠損がおこります。
緑内障の診断には、特別な検査が必要で、治療は長期間(一生)の点眼が必要です。視野欠損の為、ゴルフのプレーに支障がおこります。
「外傷」
ゴルフプレー中、「ファー」の危険を知らせる大声が聞こえたら、その方向を絶対見ずに顔(目)を両手で覆い、屈みましょう。
又、スウィングするプレーヤーの前には出ないよう心掛けましょう。
打ったボールが目にあたると、眼球破裂をおこし失明の危険があります。
以上、ゴルフに関わる目の病気を症状別に簡単に説明いたしました。
何か参考になれば幸いです。